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災害補償 ~ 休業補償及び障害補償の例外・遺族補償



労働トラブル解決マニュアル【秘伝の書】


災害補償 ~ 休業補償及び障害補償の例外・遺族補償
労働基準法第75条から第82条では災害補償について規定されています。
業務上における災害については労働者災害補償保険法に規定されていることはご存知の方も多いことと思いますが、そもそも労働基準法において災害補償についての規定があり、それを受けて労働者災害補償保険法があります。
災害補償
つまり労働基準法にて災害補償についての規定をして、業務上の災害については使用者の過失がない場合であっても労働者に対して業務災害に対する補償責任を与えていることになるのです。
しかし、労働基準法にて規定して災害補償を義務化しても、被災した労働者に対して補償が履行されないことが考えられることから、労働者を保護するために労働者災害補償保険法にて補償する仕組みとなっています。

労働基準法第78条 休業補償及び障害補償の例外
・労働者が重大な過失によつて業務上負傷し、又は疾病にかかり、且つ使用者がその過失について行政官庁の認定を受けた場合においては、休業補償又は障害補償を行わなくてもよい。

この場合の行政官庁とは、所轄労働基準監督署長となります。
また、判例では以下のような事例があります。
使用者の承諾の下に店の客を自宅に送り、帰宅途中に衝突し負傷した場合、本件負傷は業務上の受傷であるが、行為者の飲酒運転によるセンターラインオーバーが事故の原因と認められ、重大な過失があったとして、当規定によって使用者は休業補償は免責され、療養補償のみ支払えば足りるとされました。

労働基準法第79条 遺族補償
・労働者が業務上死亡した場合においては、使用者は、遺族に対して、平均賃金の千日分の遺族補償を行わなければならない。

また、以下の事項についても確認しておく必要があると考えます。

・宿直員が強盗によって殺傷された場合には、業務上とされ遺族補償の対象となります。

・帰宅途上の災害であっても、それが事業場内で発生したものであり、かつ事業場の設備不完全に起因するような場合には業務上となります。
災害補償 ・業務上の負傷疾病による療養中に自殺した場合には、自殺を招いた心神喪失の状態が業務上の負傷疾病に原因していると認められた場合のみ業務上とされます。