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通勤災害の言葉の定義 ~ 「就業に関し」の意義



労働トラブル解決マニュアル【秘伝の書】


通勤災害の言葉の定義 ~ 「就業に関し」の意義
通勤災害の規定における言葉の定義に関しては、その解釈が難しいものがあります。
労働者災害補償保険法や労働者災害補償保険法施行規則等にて示されていますが、一つずつ説明していきます。
通勤災害
・「就業に関し」の意義
・「就業に関し」とは、往復行為が業務に就くため、または業務を終えたことにより行われるものであることを必要とする趣旨を示すものとなっている。
つまり、通勤と認められるものには、往復行為が業務と密接な関連をもって行われることを要することを示すものである。

①労働者が、被災当日において業務に従事することになっていたか否か、または現実に業務に従事したか否かの問題
この場合に所定の就業日に所定の就業場所で所定の作業を行うことが業務であることはいうまでもない。
また、事業主の命によって物品を届けに行く場合であってもこれが業務となる。

また、上記のような本来の業務でなくとも、全職員について参加が命じられ、これに参加すると出勤扱いとなるような会社主催の行事に参加する場合等であっても業務と認められる。

さらに、事業主の命をうけて得意先を接待し、あるいは、得意先との打合せに出席するような場合も業務となる。

これらとは逆に、このような事情のない場合である休日に会社の運動施設を利用しに行く場合、会社主催ではあるが参加するか否かが労働者の任意とされているような行事に参加するような場合には業務とはならない。
ただし、会社のレクリエーション行事であっても、厚生課員が仕事としてその行事の運営にあたる場合には当然業務となる。

また、事業主の命によって労働者が拘束されないような同僚との懇親会、同僚の送別会への参加等も業務とはならない。
さらに、労働者が労働組合大会に出席するような場合は、労働組合に雇用されていると認められる専従役職員については就業との関連性が認められるのは当然となるが、一般の組合員については就業との関連性は認められない。

②出勤の場合の就業との関連性
所定の就業日に所定の就業開始時刻を目途に住居を出て就業場所へ向う場合は、寝すごしによる遅刻、あるいはラッシュを避けるための早出等、時刻的に若干の前後があっても就業との関連性があることは当然である。

一方、運動部の練習に参加する等の目的で、午後の遅番の出勤者であるにもかかわらず、朝から住居を出るといった所定の就業開始時刻とかけ離れた時刻に会社に行く場合には、当該行為は業務以外の目的のために行われるものと考えられるので、就業との関連性はないと認められる。

日々雇用される労働者については、継続して同一の事業に就業しているような場合には、就業することが確実であり、その際の出勤については就業との関連性が認められる。また公共職業安定所等でその日の紹介を受けた後に、紹介所へ向う場合で、その事業で就業することが見込まれるときも、就業との関連性を認めることができる。

しかし、公共職業安定所等でその日の紹介を受けるために住居から公共職業安定所等まで行く行為は、未だ就業できるかどうか確実でない段階であることから、職業紹介を受けるための行為であって、就業のための出勤行為であるとはいえない。

  ③退勤の場合の就業との関連性
終業後ただちに住居へ向う場合は就業に関するものであることについては問題はない。
このことは日々雇用される労働者の場合でも同様とされている。

また、所定の就業時間終了前に早退をするような場合であっても、その日の業務を終了して帰るものと考えられるので、就業との関連性は認められる。

通勤は1日について1回のみしか認められないものではないことから、昼休み等就業の時間の間に相当の間隔があって帰宅するような場合には、昼休みについていえば、午前中の業務を終了して帰り、午後の業務に就くために出勤するものと考えられるので、その往復行為は就業との関連を認められる。

また、業務の終了後に事業場施設内で、囲碁、麻雀、サークル活動、労働組合の会合に出席をした後に帰宅するような場合には、社会通念上就業と帰宅との直接的関連を失わせる認められるほど長時間となるような場合を除き、就業との関連性を認めてもさしつかえないとされている。

業務終了後、事業場施設内で労働組合の用務を約1時間25分行った後の退勤
本件については、労働組合用務に要した時間は、就業との関連性を失わせると認められるほど長時間とはいえない。

通勤災害 業務終了後、事業場施設内でサークル活動を2時間50分行った後の退勤
本件において、サークル活動等に要した時間は、就業との関連性を失わせると認められるほどの長時間といえる。