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解雇に関する判例 ~ 解雇の理由-経歴詐称



労働トラブル解決マニュアル【秘伝の書】


解雇に関する判例 ~ 解雇の理由-経歴詐称
解雇に関する判例は数多くあります。
解雇という行為は労働者にとっては非常に大きな問題となりますので、トラブルがこじれてしまうと訴訟にもなりかねません。
そこで解雇の予告の判例についても十分に理解しておく必要があるでしょう。
解雇に関する判例 ~ 解雇の理由-経歴詐称
【解雇の理由-経歴詐称】
・経歴詐称を理由として懲戒解雇を行う場合には、その経歴詐称の内容が重大であり、従業員の採否、賃金、待遇、職種、配置その他の労働条件の決定を誤らせ、企業秩序を著しく乱す程度のものでなければならないとされている。

・経歴詐称は、被用者の能力に関する使用者の判断を誤らせ、その誤認が使用者に損害を与え、または与えるおそれのある場合でなければ解雇の事由とはならない。

(解雇が有効とされた判例)
・現場作業見習いは、高卒以下しか採用しないことを知りながら、大学中退の経歴を隠匿したことは重大な経歴詐称に当たる。

・同業他社を採用しない方針の会社へ、不正行為により懲戒解雇された者がその旨を隠して入社したことは懲戒解雇事由となる。

・採用にあたって行われる経歴調査は、単に労働者の技能経験の調査資料のためばかりではなく、その労働者の職場に対する定着性、企業秩序、企業規範に対する適応性等人格調査の資料となり、もって労使間の信頼関係の設定や企業秩序の維持安定に役立たせようとするものであることから、仮に労働者の経歴詐称がその技能経験に対する評価を誤らせなかったとしても、その人格判断を誤らせまたは誤らせる危険があるものであったならば、就業規則に規定する懲戒解雇事由の経歴詐称に当たるものとする。

・大手板金事業メーカーで約10年板金工を勤めたと履歴書に記載して採用された板金工に、そのような経歴がなく、技量も未熟で社内外からの苦情が出て会社に損害を与えた場合の諭旨解雇は有効とされている。

(解雇が無効とされた判例)
・採用時に提出した身上書に記載した兄の職業および生年月日に事実相違の点があったことは、見習社員を解雇した正当な事由には当たらない。

・少年時代の非行歴を隠匿したことを経歴詐称として行ったガードマンの解雇処分は、就業規則の解釈を誤りまたは解雇権の濫用にあたり無効となる。

・現場作業員には高卒以下のものを採用する方針にもかかわらず、その募集広告に学歴に関する採用条件を明示せず、また採用面接で学歴に関して質問しなかった場合には、高卒と詐称して採用された大学卒業生を懲戒解雇とすることはできない。

解雇に関する判例 ~ 解雇の理由-経歴詐称 ・刑の消滅制度の存在を前提に同制度の趣旨をくみとった上で、前科の秘匿に関する労使双方の利益の調整を図るとすれば、職種あるいは雇用契約の内容等に照らすと、既に刑の消滅した前科といえどもその存在が労働力の評価に重大な影響を及ぼさざるを得ないといった特段の事情がない限りは、労働者は使用者に対して既に刑の消滅をきたしている前科まで告知すべき信義則上の義務を負担するものではないと解するのが相当とされている。
使用者もこのような場合においては、消滅した前科の不告知自体を理由に、労働者を解雇することはできない。