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時間外労働の制限 ~ 子の養育を行う労働者 その2



労働トラブル解決マニュアル【秘伝の書】


時間外労働の制限 ~ 子の養育を行う労働者 その2
育児・介護休業法第17条第1項の言葉の定義及び解釈について説明していきます。

「同項に規定する労働時間」とは、労働基準法第36条第1項において規定する次に掲げる労働時間をいうものであります。
時間外労働の制限 ~ 子の養育を行う労働者 その2
・労働基準法第32条の規定による1週間につき40時間、1日につき8時間という法定労働時間(ただし一部特例の定めあり)

・労働基準法第32条の2の規定による1ヶ月単位の変形労働時間制における労働時間

・労働基準法第32条の3の規定によるフレックスタイム制における労働時間

・労働基準法第32条の4の規定による1年単位の変形労働時間制における労働時間

・労働基準法第32条の5の規定による1週間単位の非定型的変形労働時間制における労働時間

「小学校就学の始期に達するまで」とは、その子が6歳に達する日の属する年度(4月1日から翌年3月31日までをいう)の3月31日までの意味であります。

「労働者」のうち、労働基準法第41条に規定する者については、そもそも労働基準法上の労働時間に関する規定の適用がないことから、対象にはなり得ないものです。
労働基準法第41条に規定する者とは、
①労働基準法別表第1第6号(林業を除く)または第7号に掲げる事業に従事する者
②監督若しくは管理の地位にある者または機密の事務を取り扱う者
③監視または断続的労働の従事する者
であります。

「制限時間(1月について24時間、1年について150時間をいう。)を超えて労働時間を延長してはならない」とは、事業主が労働基準法第36条第1項の本文の規定により、労働時間を延長させることができる場合であっても、制限時間を超えた時間については、労働者の労務提供義務が消滅することをいうものであります。

したがって、時間外労働協定で定めた時間外労働の上限時間の如何にかかわらず、制限時間を超えて事業主が労働者に対して時間外労働を命令することができず、仮にこれをしたとしても、当該労働者にはこの命令に従う義務はありません。
なお、適法に労働時間を延長させるためには、別途労働基準法第36条による所定の手続きが必要となることは言うまでもありません。

「事業の正常な運営を妨げる場合」に該当するか否かは、当該労働者の所属する事業所を基準として、当該労働者の担当する作業の内容、作業の繁閑、代行者の配置の難易等諸般の事情を考慮して客観的に判断すべきものであるとされています。

事業主は、労働者が時間外労働の制限を請求した場合においては、当該労働者の請求どおりに時間外労働の制限を受けることができるように、通常考えられる相当の努力をすべきものであり、単に時間外労働が事業の運営上必要であるとの理由だけでは拒むことは許されないものとなっています。

事例としては、時間外労働をさせざるを得ない繁忙期において、同一時期に多数の専門性の高い職種の労働者が請求した場合であって、通常考えられる相当の努力をしたとしても、なお事業運営に必要な業務体制を維持することが著しく困難な場合には、「事業の正常な運営を妨げる場合」に該当することとなります。

「事業主に引き続き雇用された期間」の解釈については、事業所間に異動があった場合にも、それぞれにおける雇用期間を通算して算定するものであります。

また労働組合の専従者となっている期間、長期療養等のため休職とされている期間等労務の提供が行われていない期間も、労働契約関係が継続する限り「雇用された期間」に含まれるものとされます。

「1年に満たない」か否かの判断時点につきましては、育児休業申し出の時点とされています。

時間外労働の制限 ~ 子の養育を行う労働者 その2 第2号および第3号に該当するか否かの判断時点は請求時点となっており、制限開始予定日において請求時点と状況が異なることが明らかな場合には、制限開始予定日における状況に基づき、請求の時点で判断すべきものとされています。