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言葉の定義 ~ 賃金 各種判例-退職金



労働トラブル解決マニュアル【秘伝の書】


言葉の定義 ~ 賃金 各種判例-退職金
労働基準法第11条では賃金について規定しており、関連した様々な判例がありますので確認しておきましょう。
(退職金)
③退職金の減額・不支給
・会社の承諾なく退職した者には退職金を支給しない旨を定めは公序に反し無効とされています。

言葉の定義 ~ 賃金 各種判例-退職金
・円満退職者以外には退職金を支払わないとの定めは、労働基準法第16条(賠償予定の禁止)及び第24条(賃金の支払)の規定に抵触する結果となることから無効とされています。

・退職金は賃金の一種であって、その請求権は一般に退職と同時に具体的に発生し、支払時期について特則のない以上労働者の請求によって履行期の到来する債権であり、客観的に懲戒解雇に値するような背信行為の存在しないことを条件とし、或いは使用者の意思表示のあることを要件として成立する権利ではありません。

・雇用契約または就業規則において予め定められていない限り、被用者の在職中の重大違反行為が事後に発覚しても、直ちに退職金支払に関する合意が無効になるとか、使用者が合意を取り消すことができるということはありません。

・関連会社への労働者の出向を円滑に進めるために、出向先との労働条件のバランスをとる必要から行われた退職金規程の改正は、退職金額を従来の3分の2ないし3分の1に引き下げるものであって、労働者に著しく不利益となるものであるから無効となります。

・退職後同業他社に就職した場合において、退職金の半額を返還する旨の退職金規程は、労働基準法16条(賠償予定の禁止)及び第24条(賃金の支払)の規定及び民法90条(公序良俗)の規定に反しなく有効となります。

・退職金全額不支給条項に基づいて退職金不支給が許されるのは、退職従業員の競業関係の存在のみならず、労働の対償を失わせることが相当であると考えられるような会社に対する背信性がある場合に限られます。

・退職者の同業他社就職に関するトラブルを避けるため、同業他社就業者に対する退職金の支給制限規定を設けた就業規則及び退職金規程の改正が合理的とされています。

・使用者が就業規則により、労働者に労働契約終了後の競業避止義務を一方的に課すことは、労働者の重要な権利に関し実質的な不利益を及ぼすものとして原則として許されなく、使用者の保護されるべき正当な利益を侵害されるため競業避止義務を課すべき高度な必要性が存在する場合でも、労働者の不利益に対する代償措置または賃金、退職金その他の労働条件の改善が行われる必要があります。

・退職者に対する既定の退職年金額に上積みした額の年金を支給する旨の合意ないし慣行における上積み額の減額措置は、会社に留保された合理性ないし必要性が認められた権限に基づくものであります。

・会社更生手続き中に、退職者の退職金原資を確保するために行われた退職金の額を大幅に引き下げる就業規則の変更は、合理的とされています。

・法人の内部告発者の退職金減額は、その資料収集および告発行為が減額理由になりませんが、法人の企業秩序に関する調査のための出頭命令に内部告発者が応じなかったことが就業規則違反となることから正当となります。

・電車内での痴漢行為を繰り返し、刑事罰を受け懲戒解雇された社員の退職金については、退職後の生活設計の柱であり、懲戒解雇の理由が私生活上の行為であり、会社の被害が小さく、社員の在職中の勤務態度から見れば背信性の少ないものであることから、全額不支給は酷であり、退職金額の3割支給が相当とされています。

・競業会社設立を目的として、営業関係書類を持ち出したことを理由とする懲戒解雇および退職金不支給処分は、懲戒解雇前処分に本人と会社との間の退職合意が成立していることから、いずれも無効となります。

・会社が、中高年社員の早期退職を推進するために実施した、退職金の特別加算を内容とするネクストキャリアプログラムを、会社と競合関係にある会社に就職するため退職する社員に適用しないことは正当となります。

言葉の定義 ~ 賃金 各種判例-退職金 ・会社が同業他社に集団就職しようとする動きを察知し、事前に就業規則を改正し、転職者の懲戒解雇および退職金不支給の規定を設け、これを集団退職者に適用したことは正当となります。