ようこそ! 「労働基準法のススメ」へ

言葉の定義 ~ 賃金 各種判例-社宅の無償供与・退職金



労働トラブル解決マニュアル【秘伝の書】


言葉の定義 ~ 賃金 各種判例-社宅の無償供与・退職金
労働基準法第11条では賃金について規定しており、関連した様々な判例がありますので確認しておきましょう。
(社宅の無償供与)
社宅の無償供与は入居者に対する賃金の一部とは認められないとされています。
言葉の定義 ~ 賃金 各種判例-社宅の無償供与・退職金
(退職金)
①意義・性格
・民間企業の退職金も、権利として確定しているものについては、本条にいう労働の対償としての賃金に該当し、その支払いについては性質の許す限り直接支払いの原則が適 用されます。
労働協約に基づいて支給される退職金は、労働基準法所定の賃金と解されます。

・生命保険を利用した退職金準備金としての積立金は、生命保険の保険料であって、賃金でも会社の預かり金でもないとされています。

・会社更生手続開始決定を受けた会社が設立し、会社の業績不振で解散した厚生年金基金の規約による加算年金選択一時金は、就業規則に定められた退職金には含まれないで 、加算年金一時金債権が退職金債権として優先的更正債権であることの確定の請求は認められないとされています。

②退職金請求権
・賃金に当たる退職金債権放棄の意思表示は、それが労働者の自由な意思に基づくものであると認めるに足りる合理的な理由が客観的に存在する場合には有効とされています。

・商事会社における退職金支払いの約定は商行為と解すべきであることから、その支払が遅延したときは商法所定年6分の遅延損害金を支払わなければならないとされています。

・破産会社における退職金は給与の後払い的性格のものと認められることから、退職金額のうち過去6ヶ月間の給与相当額について一般の先取り特権があるとされています。

・取締役の退職金は、商法269条の「報酬」に含まれ、その支給については定款の定めか株主総会の決議が必要となりますが、本件ではいずれも存しないことから取締役としての退職金は認められません。
ただし、取締役が従業員としての地位を兼任していて、取締役辞任と同時に従業員としての地位を失う場合には、従業員としての退職金部分が明白である場合には、その請求は認められることになります。

・就業規則に退職金の支払期日についての規定がない場合には、退職金の請求があった場合には7日以内に支払わなければなりません。

・正社員にのみ退職金制度の適用がある場合、退職金の計算について臨時工としての勤続年数は算入する必要はないとされています。

・退職金規程で、内縁の妻にも死亡退職金を支給する旨の規定があった場合でも、法律上の妻があれば内縁の妻には受給権はないとされています。
しかし、法律上の妻との婚姻関係が実体を全く失っている場合には、内縁の妻の受給権の方が保護されることになります。

・死亡という退職事由の発生により退職金を支払うべき債務は具体化するものであるから、その後に至って生前の不都合が行為が発覚しても、具体化している退職金請求権には影響をおよぼさないとされています。

・死亡退職金の法的性質が、相続財産に属するのか、受給権者の固有の権利で相続財産に属さないのかは一律に決めることができず、その退職金について定める退職金規程によるものとされています。

・退職金が賃金の一部であることが認められる場合に、就業規則の変更により退職金の支給基準を引き下げ、労働者に不利益な労働条件を課すことは、労働基準法の規定に照らして著しく不合理であるから、労働者はその改正就業規則条項の適用を拒むことができるとされています。

・会社が退職金規程を一方的に変更して受給資格を否定している場合において、たとえ法的には適法な請求権があっても、適法な中断手続をとらなければ2年間で消滅時効となります。

・退職金請求権は、使用者がその支給の条件を明確にして支払いを約束した場合に初めて法的な権利として発生するものであって、就業規則に退職金についての定めがなく、過去に退職金を支払った事例もない場合には、口頭にて「労に報いる」と言っても退職金請求権は発生しないこととされています。

・退職後に発覚した在職中の懲戒解雇相当事由が、永年の勤続の功を抹消してしまうほどの重大な背信行為である場合には、当該退職者の退職金請求権の行使は権利の濫用に該当することから許されないとされています。

・退職金及び退職年金請求権は、労働者の退職後具体的に発生するものであるので、その権利の実現に不安がある場合でも具体的な権利が発生した時点で給与訴訟を提起すれば足りることであり、支給基準を予め確認する利益は乏しいことから、その確認の訴えは不適法とされています。

・人員整理のための退職優遇措置に加えて、特定の部署または特定の期間の退職者に対する加算金の支給に当たっては、平等原則に反しないとされています。

言葉の定義 ~ 賃金 各種判例-社宅の無償供与・退職金 ・特別退職金による早期退職制度の適用については、本来の雇用契約の解約とは別の合意が必要であるところ、会社の度重なる慰留を振り切って退職した人材とは、早期退職制度適用の合意が成立しないことから、特別退職金が支給されないのは当然のこととされています。