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賃金の支払に関する判例について ~全額払い



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賃金の支払に関する判例について ~全額払い
労働基準法第24条では、賃金の支払について規定していますが、これに伴う判例が多くありますので確認しておきましょう。 賃金の支払に関する判例について ~全額払い
(全額払いに関する判例)
・退職金は、就業規則においてその支給条件があらかじめ規定されており、会社が当然にその支払義務を負うべきものというべきであるから、労働基準法第11条の労働の対償としての賃金に該当することから、その支払いについては労働基準法第24条第1項の本文に定める全額払いの原則が適用されるものと解される。

・退職金は長年の勤続に対する功労報償的性格を有することから、懲戒解雇事由がある者についての退職金の不支給は相当であるとされる。

・退職金の支給条件に、無制限の競業避止義務の遵守を付すことは、公序良俗に反することから無効となる。

・月給制であり、かつ就業規則に遅刻、早退、欠勤を理由に賃金を差し引く規定がなく、二十数年間遅刻、早退、欠勤につき賃金を差し引かれたことがない事情の下においては、使用者は労働者の自己都合による遅刻、早退、欠勤を理由に提供がなかった労務に対する賃金部分を差し引かない定めであったと認めるのが相当である。

・賃金規程の改定により賃金減額が規程改正前にさかのぼって行われたことは、労働者の自由意志が認められないことから、賃金全額払いの原則に反することから無効となり、賃金規程の改正が月中に行われ、同規程に月中の基本賃金の変更の場合は、その月においては新旧いずれか高い方の賃金額を支払うという規定があることから、改正月の賃金は、旧賃金にて支払わなければならないとされた。

・労働組合の同意を得た経営不振による賃金の暫定的減額措置を終了させるため、新賃金体系に移行する旨の労使協定が締結されたのも関わらず、労働組合の内部事情で新賃金体系移行予定日までに、新賃金体系に基づく賃金制度が作成されなかったことによる賃金減額措置の継続についてはやむを得ないものとされた。

・新幹線運転士の昇給、期末手当の減率考査は、あらかじめ定められた基準にしたがって行われる勤務査定の結果であり、事故防止と安全確保の手段であって、運営も適正であることから適法とされた。

・就業規則の改定によらないで行われた、労働条件の悪化となる賃金減額は無効となる。
賃金の支払に関する判例について ~全額払い ・会社が高齢者の雇用延長のために57歳以上の高齢者の賃金減額を行ったことは、労働者の77.6%で構成される労働組合と妥結していることから、その効力は少数組合員にも及ぶことになる。