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非常時払い・時効について



労働トラブル解決マニュアル【秘伝の書】


非常時払い・時効について
労働基準法第25条では、賃金の非常時払いについて規定しています。
「使用者は、労働者が出産、疾病、災害その他厚生労働省令で定める非常の場合の費用に充てるために請求する場合においては、支払期日前であっても、既往の労働に対する賃金を支払わなければならない。」
非常時払い・時効について
当然のことながら、既往の労働に対する賃金を支払うことになるので、実際に働いていない分までの賃金を支払う義務はありません。

また、本条のその他厚生労働省令で定める非常の場合とは以下に掲げるものとなります。

①労働者の収入によって生計を維持する者が出産し、疾病にかかり、又は災害をうけた場合
②労働者又はその収入によって生計を維持する者が結婚し、又は死亡した場合
③労働者又はその収入によって生計を維持する者がやむを得ない事由により一週間以上にわたつて帰郷する場合

また、労働基準法115条では、賃金等の時効について規定しています。
「この法律の規定による賃金(退職手当を除く。)、災害補償その他の請求権は2年間、この法律の規定による退職手当の請求権は5年間行わない場合においては、時効によつて消滅する。」

退職手当を除く賃金の請求権につきましては、2年間で時効によって消滅することになります。
また、以下のような判例がありますので確認しておきましょう。

・労働契約上の権利の存在についての、確認訴訟が係属している限り、その契約から派生する賃金の請求権の消滅時効は進行しないとされています。

・労働組合は、組合員からの何らかの授権がなければ当然には個々の組合員の賃金請求権を行使する権限を有しないので、授権がない以上、組合が未払い賃金の支払の催告を行っても時効は中断しないとされています。
非常時払い・時効について ・民事調停法に基づく調停の申立ては、裁判上の和解の申立てと同様に時効の中断の効力を生ずることから、調停申立て時点以後の賃金請求権は時効消滅していないとされています。